大動脈弁狭窄症|名古屋市の循環器内科・外科・小児科ならさかいクリニック

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循環器内科

大動脈弁狭窄症

最近テレビで弁膜症に気を付けましょう、聴診(聴診器で心臓の雑音を聴く)を受けましょうといっています。高齢の方に多い弁膜症が大動脈弁狭窄症です。心臓から全身へ動脈血(赤い血液)を送る出口にある大切な弁が硬くなり出口が狭くなる病気です。進行すると息切れ、めまい、失神、狭心痛などの症状が出現します。心臓の動きが悪くなる前に手術をすることが勧められます。これまでは胸骨という胸の真ん中にあるネクタイの様な骨を切って心臓に人工心肺という侵襲の大きな機械をつけて大動脈弁を切り取って人工の弁を縫い付ける手術が主流でしたが、数年ほど前から足の付け根の血管からカテーテルという管を大動脈弁まで導き折りたたまれた人工弁を硬くなった大動脈弁を枕に押し当てて置いてくるTAVIという方法が急速に広まっています。昨年のデータでは前者の人工弁を縫い付けてくる方法が日本で年間12000例ほど行われ後者のTAVIは5000例ほど行われました。リスクも2%弱と大差ありませんでした。
TAVIは順調に経過すると5日間の入院ですむそうです(これまでの方法だと最短で2週間ほど)。TAVIには厳しい適応がありましたが現在適応が広がっています。治療の選択肢が増え手術により質の良い生活が送っていただける可能性が増えました。
気になる症状があったら当院で聴診を受けて下さい。